日本人の食卓になじみのあるマヨネーズですが、卵黄型と全卵型があるのをご存知でしょうか?
そう言われてもピンとこない方もいるかもしれません。
実はスーパーでよく見かける、キューピーの「キューピーマヨネーズ」と味の素の「ピュアセレクトマヨネーズ」がその2つに分けられるのです。
キューピーマヨネーズが卵黄のみを使用。
ピュアセレクトマヨネーズが全卵を使用しています。
この2つのマヨネーズの味わいが違うのはメーカーの違いだけではなく、この卵の使い方にカギがあったんです。
卵黄型のマヨネーズと、全卵型のマヨネーズは何が違うのか?
その違いをご紹介します。
マヨネーズとは
マヨネーズの最低限の材料は油・酢・卵の3つです。
この3つを混ぜ合わせることでマヨネーズができます。
油と酢は、油と水なので通常は混ざり合うことはありませんが、そこで卵が活躍します。
卵黄に含まれるレシチンという成分が乳化剤となり、油と酢を混ざり合うようにしてくれます。
そのため、レシチンを利用するためには卵黄は必須であり、卵白だけではマヨネーズはできないことになります。
日本では、家庭でのシェア7割を占めるのがキューピーマヨネーズなので、卵黄型のマヨネーズが定番になりますね。
普段マヨネーズを買う時に、卵黄型とか全卵型なんて表示見たこともありませんし、意識する人も少ないと思います。
私もはっきり言って知りませんでした!
たまに業務用マヨネーズには「卵黄型」「全卵型」と記載されているものがあり、混乱する方もいますね。
知らない人も多いですが、味の素のピュアセレクトマヨネーズは全卵を使用しているんです。
マヨネーズが日本で定番化されるまで
マヨネーズはどのような歴史をもって日本で定番化されたかご存知でしょうか?
マヨネーズは18世紀ころからヨーロッパで調味料として使われていました。
その後アメリカなど諸外国で広まり、1912年にある男性がアメリカでマヨネーズと出会いました。
キューピーの創始者・中島董一郎さんです。
「美味しくて栄養価の高いマヨネーズを食べているからアメリカ人は体格がいいんだ」
そう思った中島さんは帰国後、当時のアメリカのマヨネーズの2倍の卵黄を使った栄養価の高いマヨネーズを販売することを心に決めました。
当時マヨネーズを知らない日本でしたが、1923年の関東大震災の復興をきっかけに、衣食住の洋食化が進み、その波に乗って1925年に日本初のマヨネーズを製造しました。
当初は瓶詰のマヨネーズで、馴染みもなかったのでポマード(整髪料)と間違えられるというエピソードもありました。
今聞くとユニークな話ですが、マヨネーズなんて知らない世の中ですからね!
むしろ今は定番化したマヨネーズが、99年前まで知らなかったなんて不思議な気持ちです。
1958年には、瓶タイプからポリボトルタイプに変更しさらに使いさすさを追求。
徐々にシェアを広げていったキューピーマヨネーズですが、1968年味の素からもマヨネーズが販売されました。
キューピーが卵黄のみを使っているのに対し、全卵を使用することで差別化を図ったマヨネーズです。
キューピーと味の素のマヨネーズが市場競争を広げ、更にマヨネーズのシェアは広がっていきました。
現在この2社以外にもマヨネーズを作る会社も増えていますが、家庭でのシェアはほぼこの2社が占めています。
2社以外には、ケンコーや松田のほか、トップバリュなどのプライベートブランドなどからマヨネーズが出ていますね!
卵黄型と全卵型の違い
キューピーマヨネーズが卵黄のみを使用していて、ピュアセレクトマヨネーズが全卵を使用しているマヨネーズだと紹介しましたが、具体的にどう違うのか、わかりやすく2社のマヨネーズで比較してみましょう。
味
キューピーマヨネーズは比較的こってりしていて、酢が多めなので酸味のきいたパンチのあるシンプルな味わいになります。
対して、ピュアセレクトマヨネーズはあっさりしていて、酸味もまろやかであり、少し甘みがあります。
トマトのような酸味の強い野菜にはキューピーマヨネーズを、キャベツやレタスなどの野菜にはピュアセレクトマヨネーズが合うと感じる人が多いようです。
定番の味であり、日本人は酸味が好きと言われていることが、キューピーマヨネーズのシェアの多さを物語っています。
意外と味の違いは顕著で、私もずっとキューピーマヨネーズを食べていたので、初めてピュアセレクトマヨネーズを食べたときは、「この味は何だろう?!」と驚きました。笑
見た目
キューピーマヨネーズは卵黄のみを使用しているので、その分黄色っぽくなります。
対して、ピュアセレクトマヨネーズは卵白も含めた全卵を使用しているので、キューピーマヨネーズと比較すると白っぽいマヨネーズになります。
原材料
詳しい原材料は何が違うのか見ていきましょう。
キューピーマヨネーズ | ピュアセレクトマヨネーズ |
食用植物油脂(国内製造) 卵黄 醸造酢 食塩 香辛料/調味料(アミノ酸) 香辛料抽出物
|
食用植物油脂(菜種油、大豆油、コーン油) 卵 水あめ 醸造酢(醸造酢、ぶどう酢、穀物酢、米酢) 食塩 香辛料 濃縮レモン果汁/調味料(アミノ酸) |
項目でそろえたほうが見やすいのですが、配合量が多い順番で表示されているので、このまま見ていきますね!
キューピーのほうがシンプルですね。
余計なものが入っていない分、パンチのあるはっきりした味がします。
卵黄型に対して、全卵を使用してマヨネーズを作ると、卵白が入っている分柔らかくなりやすいです。
柔らかさを補うために、油を多めに入れたり、水あめを加えたりします。
ピュアセレクトマヨネーズはそのほかレモン果汁など複数の調味料を入れているため、味が複雑になっています。
カロリー・成分
大さじ1杯(15g)当たりのカロリーや成分を比較してみます!
キューピーマヨネーズ | ピュアセレクトマヨネーズ | |
エネルギー | 100kcal | 110kcal |
たんぱく質 | 0.4g | 0.21g |
脂質 | 11.2g | 11g |
炭水化物 | 0.1g | 0.54g |
食塩相当量 | 0.3g | 0.27g |
マヨネーズはそもそも高カロリーです。
ピュアセレクトマヨネーズのほうがカロリーや炭水化物が高いのは、全卵を使うと味が薄くなるのでその分を補っている調味料の影響です。
キューピーマヨネーズのたんぱく質が高いのは単純に卵黄だけの場合のほうが卵の個数を多く使うからでしょう。
まとめ
代表的な卵黄型のマヨネーズは、キューピーのキューピーマヨネーズ
全卵型のマヨネーズは、味の素のピュアセレクトマヨネーズ
卵黄型はシンプルな材料で味がはっきりしている
全卵型はあっさりしていて、油や調味料が工夫されている
普段スーパーで見かける、キューピーマヨネーズとピュアセレクトマヨネーズの違いが卵の使い方とは思っていませんでした!
ですが、おかげで卵黄型と全卵型のマヨネーズの違いがわかりやすいですよね。
どちらが良いマヨネーズかということではなく、好みの味を選んで使うのが良いですね!
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