最近は胡椒売り場を見ると「ホワイトペッパー」や「ブラックペッパー」などいろんな種類の胡椒が売っているのを見かけますが、何が違うかご存知でしょうか?
「色が違うんだろうけど、そのほか何が違うのかわからない…」
そう思う方も多いでしょう。
私もその一人でした。
実はホワイトペッパーもブラックペッパーも同じ実で出来ているのです。
ホワイトペッパーやブラックペッパーと言われると馴染みが薄く感じますが、日本でよく使われる胡椒はそのホワイトペッパーとブラックペッパーを混合させたものだと知っていましたか?
知らないようで意外と身近なホワイトペッパーとブラックペッパーの違いやその使い分け方をご紹介します。
ホワイトペッパーとブラックペッパーの違い
ホワイトペッパーもブラックペッパーも、「ピペル・ニグルム」という種類の胡椒科の熱帯常緑つる植物で、その果実を利用します。
収穫する時期やその製造方法の違いで、ホワイトペッパーやブラックペッパーのように分類されます。
ホワイトペッパーとは
ホワイトペッパーは赤くなって熟した果実、または黒ずんできた完熟の実を摘み取り、水に浸して、ふやけた外皮をはがした後に天日干しにします。
乾燥させると重さは4分の1ほどになります。
皮をはがす手間がかかり、皮をはがすことで重量が減るので取れる量も若干少なくなるので、ブラックペッパーよりも価格は割高になります。
はがしてしまう皮に香り成分が多く含まれているため、爽やかで刺激的な香りがありますが、ブラックペッパーよりも穏やかになります。
また、熟した果実には辛味成分が少ないため、辛さもブラックペッパーよりもマイルドになります。
ブラックペッパーとは
ブラックペッパーは黄みがかってきたまだ熟していない実を摘み取り、数日保管した後天日で乾燥させて作られてます。
乾燥させるとしわが寄って固くなり、色も黒っぽくなります。
重さは3分の1ほどになります。
皮の部分に香り成分が多く含まれているので、ブラックペッパーのほうが辛さの混じったような刺激的な香りがします。
また、辛み成分のピペリンやシャビシンは未熟な実に多く含まれているので、ブラックペッパーのほうが辛みが強いのです。
ホワイトペッパーとブラックペッパーの効能
ホワイトペッパーとブラックペッパーは同じ実からできているので効能がほぼ同じになります。
カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、マンガンなどのミネラルと、ビタミンB1、B2などの栄養価が高く、また辛味成分のピペリンという有効成分を含んでいます。
抗菌・防腐・抗酸化作用
胡椒には抗菌・防腐作用があり、体内から菌に働きかけて悪さを防ぐ効果があると言われています。
この効果は、中世ヨーロッパ時代から重宝されたと言われています。
また、抗酸化効果があるため、がんなどの病気予防になると言われています。
それと同時に肌の老化を防いで切れるというアンチエイジング効果もあります。
また、胡椒には記憶障害や認知障害への緩和効果があることも報告されているんです。
消化をサポートする
胡椒の風味は味覚を刺激して、胃酸を適度に分泌してくれます。
そのため、消化を促進し、胃の不快感や腹部膨満感、消化不良や、便秘などの症状を軽減してくれると言われています。
また、血行を促進してくれることで、体が温まり、消化不良や食欲不振を解消してくれると言われています。
血行促進効果
特にブラックペッパーに多く含まれるピぺリンは、体のエネルギー代謝を向上させて、副交感神経に働き、血行を促進してくれると言われています。
代謝が上がるので、ダイエット効果も期待できるんです。
利尿作用
胡椒の中には複数のミネラルが入っているのですが、意外とカリウムの割合が高くなっています。
カリウムは体内の塩分や水分のバランスをちょうどよくコントロールし、血圧を下げる働きがあるので、むくみの解消や高血圧の予防などの効果が期待できるんです。
高血圧で減塩を心がけているときは、味が物足りなくなってしまうことも多いので、胡椒を上手に使えば、減塩効果とカリウムによる高血圧の改善効果の2つを得ることができます。
使い分け方
ブラックペッパーのほうが、香りも味も刺激が強く、ホワイトペッパーのほうがマイルドというのはわかりますが、実際どうやってつかいわけたらよいのでしょうか?
ホワイトペッパーの場合は
まずは色です。
ホワイトペッパーは白いので、白い料理に使うと良いんです。
牛乳やクリームを使った料理に使われることが多いです。
グラタンやホワイトシチュー、ポタージュなどの料理に相性が良いのでおすすめですよ!
また、香りも味もマイルドなので、鶏肉や白身魚、卵を使った料理のような、比較的淡泊な料理によく合いますよ。
ブラックペッパーの場合は
ブラックペッパーはホワイトペッパーと比べて、香りも味も強いので、味の濃い肉料理などによく合います。
魚・野菜料理、麺類など全般的にブラックペッパーを使われることが多いです。
ちなみに、カレーに入れるのもおすすめです。
カレーに含まれるターメリックという成分にはがんの予防効果や抗炎症効果、美肌効果などたくさんの効果が期待されるのですが、ブラックペッパーを加えるとターメリックの効果が20倍に跳ね上がるとも言われているので、おすすめの使い方になりますよ!
まとめ
ホワイトペッパーもブラックペッパーも同じ胡椒科の植物の果実が原料
ブラックペッパーは未熟な実を乾燥させたもの
ホワイトペッパーは完熟した実を皮をはいで乾燥させたもの
ホワイトペッパーは牛乳やクリーム系の白い料理におすすめ
ブラックペッパーは味の濃い肉料理やカレーにおすすめ
ホワイトペッパーもブラックペッパーも基本的には同じなんですね。
一般的にはブラックペッパーのほうが使いやすいかと思いますが、シチューを作った時にホワイトペッパーを入れると、料理がワンランク上がった感じになりますよ。
安価なホワイトペッパーやブラックペッパーも増えているので、目についたら一度試してみませんか?
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